テスラ『パワーウォール』は、テキサス州に本社を置くテスラ社が開発した家庭用蓄電池です。住まいの外観を損なわないシンプルなデザインであると同時に、同じ蓄電容量の一般的な蓄電池に比べて低価格で設置できる点が特徴に挙げられます。

とはいえ、施工業者による設置費用とあわせると蓄電池の導入には数百万円ほど費用がかかり、決して安いお買い物とはいえません。また、数十年使用することをふまえた場合、機能性の高さだけでなく注意点も理解したうえで購入を検討することが大切です。

本記事では、テスラ『パワーウォール』の特徴や注意点を解説します。蓄電池選びに迷われている方は、参考にしてみてください。
      テスラ『パワーウォール』は、テスラ社が2015年に開発した家庭用蓄電池です。日本の家庭では2020年から導入がスタートしています。

テスラ社は電気自動車や太陽光発電設備などを開発し、クリーンな移動手段とエネルギー生産を目指している企業です。数ある製品のなかでも『パワーウォール』は、高性能かつ設置が簡単な家庭用蓄電池として開発されました。

テスラ『パワーウォール』の性能は、以下のとおりです。
 

蓄電容量		13.5kWh
定格出力	連続運転時	5kW
	最大	7kW
サイズ		高さ：1,150mm 幅：753mm 奥行き：147mm
重さ		114kg
設置方式		床置き／壁掛け 屋内／屋外
保証期間		10年

テスラ『パワーウォール』は蓄電容量13.5kWhであり、定格出力が連続運転時で5kW、ピーク時には7kWとなっています。定格出力とは、バッテリーから瞬間的に取り出せるパワーを意味し、最高出力が高いほど多くの電化製品を同時に使用できるということです。

設置方式としては床置き・壁掛けを選べるほか、屋内への設置も可能となっています。ただし、日本では屋外での設置が推奨されており、一般的には基礎工事が必要となるでしょう。
 

• 蓄電容量が大きいが導入しやすい価格
• 全負荷型で停電時も家全体に電気を供給できる
• コンパクトでスタイリッシュなデザイン
• アプリでリアルタイム管理が可能

順に詳しく見てみましょう。
  一般的な蓄電池の蓄電容量と比べると、テスラ『パワーウォール』は13.5kWhと大容量の部類に入ります。蓄電容量が大きいほど貯めておける電気量も多くなるため、より長時間電気を使用できるでしょう。

また、蓄電容量が大きいながらも導入価格は同容量の他社製品と比べて安く、コストパフォーマンスに優れている点もメリットの一つです。

テスラ『パワーウォール』の価格は？施工費用相場やお得に導入する方法＞＞
  テスラ『パワーウォール』の蓄電池は全負荷型で設計されており、停電時でもすべての部屋ですべての電化製品を使用できるのが特徴です。蓄電池には、停電時の電力の使用範囲に関して「特定負荷型」と「全負荷型」の2種類があります。事前に指定した部屋や家電のみに電気を供給できる特定負荷型に対し、全負荷型は部屋や家電の制限なく電気の供給が可能です。

全負荷型のテスラ『パワーウォール』は、停電時でもいつもと変わりない生活を送れる点で、災害時の備えとしても安心できるでしょう。200V機器にも対応しているため、エアコンやエコキュートなども動かせます。
 

テスラ『パワーウォール』は、シンプルかつスタイリッシュなデザインとなっており、住まいの外観を重視したい方にも適した蓄電池です。厚みは14.7㎝と、一般的な年賀はがきの縦の長さと同程度です。
 

• 高さ：1,150mm
• 幅 ：753mm
• 奥行き：147mm
   

かなりコンパクトな造りになっているため、限られたスペースにも設置しやすいのが利点です。また、配線や廃熱口が露出しないぶん見た目がすっきりしており、お子さまやペットがいる家庭でも思わぬ事故を防ぎやすくなっています。
 
引用元：Teslaアプリ for エナジー製品 | テスラ サポート ジャパン

テスラ『パワーウォール』は、アプリを使って電気の消費状況や蓄電量などをリアルタイムでチェックできます。電力会社から電気を購入する場合、購入電気量も逐一確認が可能です。

ほかにも、運転モード設定をアプリから遠隔操作できる機能が備わっています。テスラ『パワーウォール』の運転モードは、自家消費モードと時間帯別設定モード、停電時などのみに備えるバックアップ専用モードの大きく3パターンです。家庭の電気の使用状況によってモードを変更することで、無理なく節約が目指せるでしょう。

アプリがアップデートされれば、今後さらに機能性が向上することも期待できます。
 

テスラ『パワーウォール』にはここまで紹介したような特徴がある一方で、導入にあたっていくつかの注意点もあります。設置を検討している方は、注意点を理解したうえで必要性を判断すると良いでしょう。
  テスラ『パワーウォール』は、耐用年数（寿命）が公表されていません。場合によっては、想定していたより早く故障したり劣化したりする可能性もあります。

テスラ『パワーウォール』は、利用開始から10年間は蓄電容量70％以上の状態を保証しているため、少なくとも10年は安心して使用できると考えられるでしょう。とはいえ、バッテリーの劣化は設置・使用環境などによって異なり、頻繁に修理や交換が必要になって手間がかかるケースも想定されます。

長期間使用できることを必須条件として蓄電池を選びたい方にとっては、懸念点となりうるかもしれません。
  テスラ社は、サービスの質の安定を目的として『パワーウォール』の設置に関する認定制度を導入しています。しかし、2020年の春に日本に上陸した比較的新しい蓄電池であり、認定を受けた事業者はそれほど多くありません。

2024年4月現在、日本で認定を受けている事業者は十数件ほどに留まっているため、お住まいの地域によっては認定事業者の設置対象外エリアとなる可能性があるでしょう。今後ニーズが増えれば、認定事業者も増えていくと予想できます。

鈴与商事はテスラ『パワーウォール』の認定施工会社であり、甲信・東海エリアを中心に設置のご依頼を承っています。
  国や自治体は、カーボンニュートラルの実現に向けて省エネ製品などの導入を推進するべく、補助金制度を用意しています。このため、蓄電池の種類によっては省エネ製品として補助金の対象となるでしょう。

一方で、テスラ『パワーウォール』は海外製品であり、2024年4月時点では日本の基準を満たさず、補助金対象外になるケースがほとんどです。蓄電池で補助金を受けるには、多くの場合「JET認証」や「ECHONET Lite」「SII」への認証・登録が条件になります。
 
ただし、なかにはテスラ『パワーウォール』も補助金対象としている自治体もあるため、お住まいの地域のホームページなどを確認してみてください。

例えば、静岡県富士宮市が行っている「令和5年度 富士宮市創エネ・蓄エネ機器設置費等補助金」では、テスラ『パワーウォール』も対象であり、条件に該当すれば上限10万円の補助が受けられます。

補助金が適用されなかったとしても、テスラ『パワーウォール』はコストパフォーマンスが高く、活用次第で十分な節約効果を期待できるでしょう。

テスラ『パワーウォール』で補助金は使える？負担を抑える2つの方法を紹介​＞＞
  テスラ『パワーウォール』は、蓄電容量13.5kWhと大容量でありながら価格も抑えられている、費用対効果の高い蓄電池です。テスラ社による認定を受けた施工事業者も増えてきており、今注目の蓄電池です。

テスラ『パワーウォール』はただ蓄電容量が多いだけでなく、全負荷型を採用したことで停電時でも家全体に電気を供給できる万全の備えになるほか、アプリを使って消費電力などをいつでも確認できるのが特徴です。

見た目もシンプルかつコンパクトなため、蓄電池の見た目にこだわりたい方にとっても魅力的な選択肢となりえます。

太陽光発電設備のみを導入している方も、テスラ『パワーウォール』を同時に活用することで、さらに高い節電効果を期待できるでしょう。

鈴与商事では、初期費用0円で蓄電池・太陽光発電設備を導入できる「0円ソーラー」「蓄電池Plusプラン」などをご用意しています。これらのサービスではテスラ『パワーウォール』も選択いただけますので、蓄電池導入の費用負担を抑えたい方はお気軽にお問い合わせください。