電気代を節約できる、売電収入を得られるといったメリットがある太陽光発電ですが、実際に設置するとなると100万円以上もの費用がかかります。そのため、「太陽光発電はどれくらいの節約になるの？」「初期投資は何年で回収できるの？」と設置費用の回収期間に関して疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、太陽光発電の投資回収年数についての基本的な情報とシミュレーション、回収を早めるための4つの方法をご紹介します。太陽光発電の導入を検討している方は参考にしてみてください。
   

太陽光発電は何年で元が取れるのか

太陽光発電設備の設置にかかった費用は、一般的に10年前後で回収できると言われています。ここでは、平均的な費用回収のシミュレーションと、自家消費を増やした場合の回収率に分けて、本当に10年前後で元が取れるのかを確認していきます。

ただし、以下で紹介する数値はあくまでも推測です。天候や設置容量など、さまざまな要素により、実際の回収年数は異なる可能性があることを念頭に置いておきましょう。
 

平均的な費用回収年数のシミュレーション

太陽光発電の費用回収年数は、以下の公式で計算できます。

設置費用　÷（年間の売電収入＋電気代の削減額）＝投資回収年数 ※メンテナンス費用は除く

また、今回平均的な費用回収年数をシミュレーションするにあたり、各条件は以下のように設定しています。

住宅に設置する太陽光発電の平均容量	4.5kW
設置容量1kWあたりの平均年間発電量	1,200kWh（静岡県の場合）
発電量における売電率 ※1	68.8％
発電した電気の自家消費率 ※1	31.2％
1/kWhあたりの売電価格 ※2	16円（2023年度に設置した場合）
1/kWhあたりの電気代 ※3	27円（静岡県中部の場合）

※1参照：太陽光発電について｜経済産業省
※2参照：買取価格・期間等（2022年度以降）｜資源エネルギー庁
※3参照：電気料金の改定について（2023年6月実施）｜資源エネルギー庁
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設置にかかる費用、売電収入、電気代の削減額、試算上の費用回収年数については、それぞれ以下で解説します。
 

太陽光発電の設置にかかる費用

経済産業省の調査に基づくと、太陽光発電の設置費用の平均は下表の通りです。

新築	既存住宅	全体
117.4万円	126.4万円	120.1万円

※小数点第二位は切り捨て
※参照：令和５年度以降の調達価格等に関する意見｜調達価格等算定委員会

この設置費用は、住宅に設置する太陽光発電の平均容量である4.5kWでの費用です。容量が4.5kWより小さければ設置費用は上記の計算よりも安くなり、逆に容量が大きければ高くなります。

太陽光発電設備の設置費用について、さらに詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。

太陽光発電の設置費用はいくらかかる？内訳と費用を抑える方法を紹介 ＞＞
 

太陽光発電の設置によって得られる売電収入

試算では、太陽光発電によって得られる売電収入は年間約6万円です。

売電収入の試算にあたって、まずは発電量を求めます。発電量は以下の式で求めることができます。
 

平均容量×年間発電量=発電量

今回の試算では住宅に設置する太陽光発電の平均容量を4.5kW、設置容量1kWあたりの年間発電量を1,200kWhと設定しているため、4.5kWの太陽光発電を設置した場合の年間発電量は以下のとおりになります。

• 4.5kW×1,200kWh→東海地域では1,200kWh=5,400kWh

次に売電量を計算します。売電量の計算方法は以下のとおりです。
 

発電量×売電率=売電量

今回の試算では、発電量が5,400kWh、売電率が68.8％ですから、売電量は以下のとおりです。

• 5,400kWh×68.8％=3,715kWh

売電量と、1kWhあたりの売電価格が分かれば、以下の計算式で売電収入を導き出すことができます。
 

売電量×1kWhあたりの売電価格=売電収入

今回の試算では、売電量が3,715kWh、1kWhあたりの売電価格が16円（※）ですから、売電価格は以下のようになります。

• 3,715kWh×16円=59,440円

※この1kWhあたりの売電価格は、国のFIT制度により、2023年度から10年間保証された売電価格（10kW未満）を用いています。
 

太陽光発電の設置によって削減できる電気代の料金

太陽光発電の導入によって節約できる電気代は、年間約4.5万円程度になります。

節約できる電気代を求めるには、まず、発電した電気の自家消費量を求めましょう。自家消費量の求め方は以下のとおりです。
 

発電量×自家消費率=自家消費量

今回の試算における発電量は、前述の通り4,500kWhです。また、自家消費量は31.2％に設定しています。よって、自家消費量は以下のようになります。

• 5,400kWh×31.2％=1,685kWh

次に、以下の計算式で節約できる電気代を割り出します。
 

自家消費量×1kWhあたりの電気代=節約できる電気代

1kWhあたりの電気代は、2023年6月時点の静岡県を例に挙げると、27円です。よって、太陽光発電の導入によって節約できる1年あたりの電気代は以下のようになります。

• 1,685kWh×27円=45,495円

ここまでの計算を元に、費用回収年数をシミュレーションすると、以下のようになります。

（全体の設置費用の平均）÷（売電収入＋電気代の削減額）＝投資回収年数 120万円÷（59,440円+45,495円）=約11.5年 ※メンテナンス費用は除く

上記のとおり、平均的な条件で太陽光発電設備を設置した場合、約11.5年で初期費用を回収できることが見込まれます。
 

自家消費を増やした場合の回収率はどうなる？

上記で紹介した試算は、売電率が68.8％、自家消費率が31.2％の場合のシミュレーションです。しかし自家消費率を増やせば、費用回収年数はそのぶん早くなります。

例えば売電率と自家消費率をそれぞれ50％とした場合、売電収入と電気代の削減額、費用回収年数は以下のように変化します。
 

売電収入：59,440円→43,200円 節約できる電気代：5,495円→72,900円 費用回収年数：約11.5年→約10年

このように、自家消費率が高くなれば費用回収年数は短くなり、50％を超えれば約10年で元が取れる計算になります。


 

太陽光発電の投資（費用）回収率を上げる方法

太陽光発電の投資（費用）回収率を上げ、早期に元を取る方法としては、導入コストを抑えることがポイントになります。早めに元を取ることができれば、太陽光発電のメリットを活かすことができるでしょう。

太陽光発電を設置するメリット・デメリットをわかりやすく解説 ＞＞
 

0円で設置してもらう

「0円ソーラー」は、自己負担なしで太陽光発電設備を導入できる制度です。

0円ソーラーでは、太陽光発電の導入費用を業者が負担します。住宅の所有者は、発電した電気のうち自分が使用した分の電気料金、または定額のサービス利用料を支払うという仕組みです。

さらに、各業者ごとに決められた契約期間が経過すれば、太陽光発電の設備が所有者に無償譲渡されます。サービス期間中、設備の維持管理は業者が行ってくれるため、メンテナンス費用がかからないのも大きなメリットです。

鈴与商事でも、0円ソーラーを利用することが可能です。詳しくはお問い合わせください。

0円ソーラーの導入が向いているのはどんな人？仕組みを理解したうえで導入を決めよう ＞＞
 

補助金制度を活用して導入コストを削減する

補助金制度を活用すれば、太陽光発電の導入コストを削減でき、それにより投資回収年数を短縮することが可能です。令和5年6月現在、国からの補助金制度はありませんが、自治体が補助金制度を設けています。

例えば、静岡県富士宮市では、太陽光発電設備の出力1kWあたり2万円補助する制度を実施しています。補助金制度の内容は各自治体によって異なりますので、お住まいの自治体の公式ホームページを確認してください。
 

設置費用の安い業者を選ぶ

太陽光発電の導入コストを抑えるには、設置費用の安い業者を選ぶことも重要です。太陽光発電は、設置業者によって導入コストが異なります。複数の業者から見積もりを取得し、設置費用が安い業者を選ぶことで初期投資を抑えることができます。

しかし、費用が安いだけで業者を選ぶと、設置が不完全だったり、トラブルが発生したりしたときに追加工事が必要となり、結果的に余計な費用が発生することもあります。そのため、業者選びの際は信頼できる業者であることを確認し、適正な価格で設置してくれる業者を選びましょう。
 

まとめ

太陽光発電の設置については、一般的には投資が元に戻るのは約10年程度と言われています。しかし、今回のシミュレーションでは、約11.5年ほどかかるという結果が出ました。設置前に、元が取れる期間をある程度把握しておくことが重要です。

鈴与商事では、設置前に発電量のシミュレーションを行い、お客様がどれくらいの期間で費用を回収できるかを予測します。また、当社のサービスを利用されたお客様の中には、シミュレーションの結果を上回る発電量を得られたという声も寄せられています。

鈴与商事のサービスを活用して、太陽光発電設置のメリットを最大限に活用しましょう。
設置について不安に感じられる方は、こちらのページも確認しておきましょう。きちんとした業者に依頼することで、安全に設置することができます。

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