特集
2021.09.15 四條由貴

ヘリコプターの安全を支えるエンジニア「航空整備士」|静岡エアコミュータ

ヘリコプターの安全を支えるエンジニア「航空整備士」|静岡エアコミュータ
ヘリコプターは消防、防災、救急医療、報道取材、警察、人員輸送、物資輸送等、民間・公共・防衛といった様々な分野で活躍しています。間近で見たり乗る機会の少ない乗り物ですが、私たちの暮らしに欠かせない公共性の高い乗り物なのです。
静岡県初の航空会社として1991年に誕生した「静岡エアコミュータ」は、静岡ヘリポートを拠点に9機の機体を運航し、静岡県消防防災航空隊や報道機、チャーター機の運航を行っています。また新潟県内の2ヶ所でドクターヘリを運航しています。さらに、耐空検査や新規組立、塗装等の整備業務の受託を積極的に行っています。
2019年4月に世界有数のヘリコプターメーカーであるレオナルド社が認定した国内唯一のエクセレント・サービスセンター(認定整備工場)を静岡空港に開所しました。国内最高グレードのサービスを提供するMRO事業(Maintenance, Repair and Overhaul=整備、修理、改造)を行っています。安全なフライトのためにミスの許されない大切な事業です。この重大な責務を担う技術者「航空整備士」にお話を伺いました。


航空整備士とは、どんな職業?

航空整備士になるには、国家資格が必要です。航空整備士の資格には種類があり、取得した資格により携われる機体や業務などの範囲が分かれています。ヘリコプターの整備を担うのは、回転翼航空機という種類の資格になり、一等航空整備士(一整)、二等航空整備士(二整)などがあります。二整の受験資格は、19歳以上で、3年以上の実務経験があり、6ヶ月以上の回転翼航空機整備の実務経験があるものとされています。一整を目指すには、20歳以上で、4年以上の整備実務経験があり、耐空類別のTA級※1またはTB級※2の回転翼航空機で6ヶ月以上の実務経験を含むものという条件が課せられおり、資格取得まで長い道のりを要する難易度の高い資格です。静岡エアコミュータには、一等航空整備士が10名以上、整備士は総勢25名ほどが在籍し、女性整備士も活躍中です。

※1…航空運送事業の用に適する多発の回転翼航空機であり、臨界発動機が停止しても安全に航行できるもの。
※2…最大離陸重量9080kg以下の回転翼航空機であり、航空運送事業の用に適するもの。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 

高い意識で業務に臨むプロ集団

ヘリコプターにも、自動車の車検のように定期的な点検、整備が義務付けられています。飛行時間や使用期間などによって行われる作業が決められています。すべての機体が1年に一度、検査されるそうです。検査に係る整備期間は短くても1カ月。中には半年近くかかることもあるとか。1機につき3~5人が担当し、エンジンや計器、機体を構成する全ての部品や構造そのものを点検、整備します。静岡エアコミュータは、レオナルド社の認定整備工場であるため、レオナルド社からエンジニアが赴任しています。そのエンジニアやレオナルド社と連携し、慎重に作業を進めていくのです。この時のコミュニケーションは全て英語で行われるそうです。
一つでもミスがあれば大事故に繋がり、人命が失われる可能性もあるため、常に緊張感を持って業務に臨みます。ヒューマンエラーを防ぐため、社内で様々な取り組みがされていると共に、各整備士が勉強を重ね知識を習得することに努めています。その努力が、開業以来30年無事故につながっています。


今回お話を伺った一人、一等航空整備士の清水道浩さんは次のように語ってくれました。
「社内は20~30代の若手が活躍する、活気ある職場です。MRO事業は開始したばかりということもあり、時流にあった雰囲気の中で仕事ができています。一方で、業務は決して楽ではありません。機体の構造だけでなく、力学や航空法など付随する知識を隅々まで把握しておく必要があります。また、機体にもそれぞれ個性があるため、経験から得られるカンや観察力が役立つ場面もあります。そのため、毎日勉強と修練を重ねる日々です。厳しく高い要件を求められる仕事ですが、自分の整備した機体が活躍している様子をニュースなどで見かけると、とても誇らしい気持ちになります」
語る言葉に、熱い技術者魂がこもっています。常に緊張感のある業務に携わる航空整備士によって、空の安全が守られているのです。高い秋の空にヘリコプターの飛ぶ姿を見かけたら、裏方として支える航空整備士たちをちょっと思い出してください。


静岡エアコミュータ株式会社
https://www.sacc.co.jp/

 
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